海外の家具と日本の家具の違い
世界中どこでも、人の住むところには文化があり、そこでインテリアデザインも発展してきました。
日本にも当然独自の内装・家具文化があるわけですが、海外製品やデザインと日本のそれはどう違うと定義づけられるのか、主に指摘される違いをまとめました。
日本製の特徴
日本製の家具は、とにかく高品質なのが特徴です。日本人の性格が反映されていることなのですが、組付け精度や強度に関して、日本の製品はいまだに世界トップレベルにあります。
小さいこだわりや細かい美的センスに関しては日本人の几帳面さが光り、つなぎ目のスムーズさや可動部の滑らかさ、さらには木目の組み合わせやずらし方など、小さなところでの職人技ともいうべき特徴があります。
ぱっと見には分からないところや裏地にまでこだわりを見せるのが日本流であり、一見質素だが使いこむほどに味わいを表現する資材や塗装など、より細部、長期的な使用を念頭に置いた設計、施工・設置すれば二度と見ないであろう裏側にまで気を配るのが日本製の特徴です。
海外製の特徴
あえて日本との違いを考察するためにひとくくりにしていますが、日本製に対して海外製は、細かい作りは雑でもおおざっぱな構成や存在感が優先される傾向があります。
極端なところで言えば、新品でも欠けや汚れは何も珍しくなく、それでクレームを言いに行っても「こんなものだ」の一言で片づけようとします。
収納家具には、日本製ほどの引きだしや収納スペースはなく、構造もそれほど合理的ではありません。したがって、便利な引き出しかどうかではなく、引き出しの中をどう整理するかといった考え方が必要なことがあります。
細部か全体か
これはほんの一例ですが、作りがおおざっぱな分、斬新で新しいものも生まれやすいのが日本との違いともいえるでしょう。
安全で高品質な分、生産や設計に気を配らなければならない日本的な考え方と違い、ディテールは手を抜いても全体的な要素や印象はまとまっているというケースがほとんどです。
日本では一点ものの品質や印象が重視されるのに対し、外国では全体(部屋や家の内装全体、統一性など)の色彩や色調をまず考え、そこで詳細を埋めていきますが、その際日本ほど細部の品質や滑らかさにはこだわらない傾向があります。
まとめ
こうした違いのある日本と海外製の家具ですが、それぞれに美点があってそれを認めることが、より良いものを生み出すのには不可欠です。
海外の家具のセンスと日本の合理性や品質が合わさるとベストなのですが、それだけ考え方に違いがあるからこそ生まれるセンスの違いなのかもしれません。